第四単元 社会
家事
Lesson
15
課文
家事
母の日
上海。森家。ある日の午後、緑は日本語教室に出かけている。家の中では、徹平と瑛士の
2人が何か相談をしている。
(徹平が瑛士に指示をしている)
徹平:いいか、瑛士、お母さんが帰ってきても、すぐに部屋の中に入れちゃだめだぞ。5
瑛士:分かっているよ、お兄ちゃん。お母さん喜んでくれたらいいね。
(帰って来た緑が家に入るのを制するように、瑛士が玄関口で話し始める)
瑛士:お母さん、お帰りなさい。
緑:ただいまー。遅くなってごめんね。今から、夕飯の支度するから。
瑛士:あつ、ぼく、さっき、肉まん食べたから、おなか空いてないよ。
緑:肉まんって、どうしたの?
瑛士:隣のおばさんがくれた。
緑:隣のおばさんって、陳おばさん?
瑛土:うん…,そうそう、そうだよ。それよりも、
お母さん,中山公園で二胡を弾いてい
る人がいたよ。いっしょに見に行かな
い?
緑:どうして?今から?お母さん,夕飯作
らなきゃいけないのに。
瑛士:お兄ちゃんは部活で遅くなるって言ってたし、お父さんもどうせ遅いよ。
緑:何無責任なこと言ってるの。
瑛士:ねえ、ちょっとでいいから。
緑:もう、瑛士ったら、仕方ないなあ・・。
(公園で、二胡を弾いている人は見当たらない。日が落ちたので、マンションに帰ってくる)
瑛士:おかしいな。ぼくの聞き間違いだったのかな。
緑:本当に、瑛士は人騒がせなんだから。
瑛士:お母さーん、ぼく、おなかぺこぺこ。早くご飯食べようよ。
緑:やれやれ。
(瑛士がうれしそうにリビングルームに入ると、食卓にはすでに夕食が用意されている)
徹平:お母さん、お帰りなさーい。
緑:びっくりした一。何、これ!
みんなで作ったの?
5健太郎:どう、驚いた?
徹平:だって、今日は母の日だよ、お母さん。
緑:そっかー。それにしても、瑛士には、す
っかりだまされたわね。
瑛士:お母さん。いつもみんなのために、あり
がとう。これ、お母さんの好きな花。
緑:(花をまじまじと見つめて) 本当にうれしい。
みんな、ありがとう。
新出語業1
ははのひ(母の日)[名]母亲节
みあたる(見当たる)[1]、看到、看见
にほんごきょうしつ(日本語教室)[名]
ひとさわがせ(人騒がせ)[名・形2]
日语培训班
无故惊扰旁人
せいずる(制~)[サ変他]阻止、制止
やれやれ[叹] 呀
げんかん(玄関)[名]门庁、玄美
リビングルーム[名] 起居室
したくする(支度〜)[名・サ変他]准备,预备
そっかー [叹]
是这样啊
おばさん[名]阿姨
まじまじ[副]目不转晴,瞪
ちゅうざんこうえん(中山公園)[专]
みつめる(見つめる)[2他]着,凝視
中山公园
くち
むぜきにん(無責任)[名・形2]不责任
~口~口ル,~门
mSRgint
“~の”所体现的说话人的感情
这段会话有3处以”の”結尾子:①“肉まんって、どうしたので";②“何
無責任なこと言ってるの。”;③“何,これ!みんなで作ったの?” 都是绿说的。
①③都是单纯的疑问,①是向瑛士,③是向彻平和健太郎寻求说明。而②不是疑问,
是在责备对方。表示疑问的①③用升调,而表示责备的②则用降调。“何~の” 虽然
仍是责备对方之意,但语气略有缓和。
男女の家事労働時間
夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである、つまり家事は女性の仕事だという考え
方は、日本においてたいへん根強いものであった。しかし、近年、社会の変化に伴
い,このような考え方は変わりつつある。
生活時間についてのさまざまな調査から、日本における男女の家事労働時間を見て5
みよう。そこから何が浮かび上がってくるだろうか。参考とした調査は、総務省が行う
「社会生活基本調査」及びNHK放送文化研究所の「国民生活時間調査」である。
- 夫の家事労働時間は増加傾向に
日本の共働き世帯は年々増え続けており,2007年には1,000万世帯に達した。この
数字は妻が専業主婦である家庭の825万世帯を上回っており,今後も増加していくと10
みられている。
図1は、共働き世帯、専業主婦世帯における夫婦の生活時間の内訳と、夫の家事労
働時間の分担割合を表している。夫婦の1日の家事労働時間のうち、夫の分担割合は
1986年には共働きで5.3%,専業主婦の夫で3.6%であったが、2006年の結果では,
共働きで10.4%、専業主婦の夫で8.5%となった。男性の家事労働時間は増加傾向に15
あることが分かる。
図1 夫妻の労働時間・自由時間と夫の家事労働時間分担割合
夫
ど
(時間、分)(時間、分)
(時間、分):(時間、分)(時間、分)
(時間、分):(時間、分):(時間、分):(時間、分)(時間、分)
1986年
10.02
5.32
4.30
4.03
8.47
8.32
0.15
5.05
5.3
働
2006年
9.26
4.43
4.45
9.53
4.40
8.55
8.22
0.33
10.03
5.02
10.4
世業
1986年
7.48
0.07
7.41%
6.02
8.43
8.25
0.17
5.11
3.6
帯主
婦
2006年
7.36
0.02
7.34
10.06
:6.13
9.01
8.19
1.0.42
10.10
4.52
8.5
注1)仕事等時間とは、「通勤・通学」「仕事」「学業」を指す。
注2)家事関連時間とは、「家事」「介護・看護」「育児」、「買い物」を指す。
注3)自由時間とは、「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」「趣味・娯楽」「スポーツ」「交際・付き合い」
を指す。
注4)仕事には,正規雇用者のほか、非正規雇用者(パート・アルバイト・派遣社員)を含む。
出典:総務省統計局「社会生活基本調査報告」(2006年)により作成。
しかし、そうはいっても、夫の分担割合は共働き世帯でようやく1割に届いた程度
であり、妻との差は依然として大きい。時間で見ても,共働き世帯の妻が1日あたり
4時間45分であるのに対し、夫は33分で、その差は4時間12分にも及ぶ。また、家
事労働時間と職業労働時間の合計を総労働時間とすると、共働き世帯では夫が8時間
5 55分であるのに対し、妻は9時間26分である。このことから、働く女性の多くが、
仕事から帰宅した後もフルタイムで家事をこなすという生活を余儀なくされているこ
とがらかがえよう。
2. ライフステージ別に見る男女の家事労働時間
次に、男女の家事労働時間を結婚前(未婚),結婚後(既婚),子供が幼児以下、子
10供が就学児以上、という4つのライフステージに分けて見てみよう(図2)。特に注
目したいのは、子供が生まれてからの共働き世帯である。
結婚を機に、女性の家事労働時間は未婚である場合の倍以上に増える。これに対し
て、共働き世帯の男性の家事労働時間は29分から35分とさほど増えない。妻が専業
主婦である場合,男性の家事労働時間はむしろ少なくなる。
図2 20代~50代男女の1日あたり平均「労働」時間
口仕率関連 ■家
|社会参加:
0.05
共働き
0.09
0.35
男
0.05
性
共働:
共働き
0.11
共働き
0.07
非共働き
0.19
共働き
0.14
共衡き
0.19
.12
注1)仕事関連とは、「仕事」「仕事の付き合い」を含む。
注2)家事とは、「炊事・掃除・洗濯」「買い物」「子供の世話」「家庭雑事」を含む。
注3)社会参加とは、「PTA」「地域の行事・会合への参加」「冠婚葬祭」「奉仕活動」などを含む。
出典:NHK放送文化研究所編「日本人の生活時間2005」(2006年)により作成。
子供が幼児の時期※には育児時間が加わり、家事労働時間は急激に増える。共働き
世帯の家事労働時間は、妻6時間42分、夫1時間17分となる。この時期は、ほかの
ライフステージに比べて夫の家事労働時間も長く、積極的に家事に参加していること
が読み取れる。それでも,総労働時間から見れば夫婦の差は大きい。理由として、末
子が幼児以下のライフステージに属する30代男性の多くが会社での長時間労働を強5
いられていることがある。長時間労働によって、夫に子育てなどの家事を分担する余
裕がなくなり、妻が仕事と家事両方の担い手とならざるをえないのであろう。末子が
就学児になると、育児の手間が減ることから妻の家事労働時間は減少するが,炊事や
掃除,洗濯などの基本な家事を妻が担うことに変わりはない。
3. まとめ
日本の家庭における男女の家事労働時間は徐々に変わってきているものの、「夫が
外で仕事し、妻が家事をする」という構図はいまだに崩れていないようだ。
もちろん、家事などによる拘束時間が長いことが、生活の質そのものを低下させる
と一概にいえるわけではない。しかし、女性の生活における拘束時間は,結婚するま
でと、結婚後、さらに出産後では明らかな差がある。このことは結婚や出産をためら 15
う女性が増えていることと無関係ではないだろう。
統計によると、夫の家事労働の分担割合が高い国ほど出生率が高いことも明らかに
なっている。少子高齢化社会を迎えた日本にとって、家庭内における男女の労働時間
のバランスを改善することは、家庭内だけでなく、社会全体で取り組むべき大きな課
題であるといえよう。
※幼児の時期:ここでは、子供の乳児期(生後1年程度まで)、幼児期(6歳程度まで)を含めた就
学前の時期を示している。
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